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「いのちをいただき、いのちは生きる」北出新司さん講演会@三重県私学教育研修会「人権教育」

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「子どもたちにひとりひとりが大事にされる人権意識を伝えてほしい。」
研修会で北出さんが参加した教員に行ってくださった言葉です。

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先日7月25日、三重県内の私立高校の教員が集まって人権研修会が行われました。場所は津市内の人権センター。
講師は愛農高校にもたびたび講演などで足を運んでくださる北出新司さんです。
北出さんは2013年に公開されたドキュメンタリー映画「ある精肉店のはなし」(公式HP https://www.seinikuten-eiga.com/)で取り上げられた北出精肉店の店主さんです。

私学の教員研修会は大概、毎年夏に行われるんですが、研修会の運営は加盟校が輪番で行います。今年度は愛農高校です。講師、誰にしようかな~と考えたところ、そうだ!北出さんがいた!!ということで、北出さんにお願いした次第なのです。

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今回の研修会の狙いは「食肉の仕事から人権を考える」ということで、「いのちをいただき、いのちは生きる」というテーマで北出さんに話していただきました。
はじめの26分間は映画のダイジェスト版を見ました。精肉店のお仕事の様子、北出家の歴史、部落差別について、水平社宣言との出会い、地域のお祭り、そして屠畜のシーン。

監督の纐纈あやさんが映画についてHUFFPOSTの記事でこんなことを語っています。
「一般的に、屠場にたずさわる人々が取材を安易に引き受けることはあまりない。生死を扱う現場であることや、一部ではその裏に被差別部落の問題などがあるからだ。さまざまな要因が複雑にからまって、これまで屠場の内部が公になることは少なかった。そこには、日本人の「死」に対する独特の“ケガレ観”のようなものも、大きな影響を与えていただろう。
しかし、屠場の閉鎖が決まったことで、北出さんたち自身に「自分たちが行ってきたことを記録に残したい」という思いが生まれる。そこから先は、ていねいに被写体と向き合うことを心がけてきた纐纈さんの本領が発揮された。取材依頼は、承諾される。」(「映画「ある精肉店のはなし」の監督、纐纈あやさんに聞く屠場「いのちを食べて人は生きる」【Woman’s Story】」https://www.huffingtonpost.jp/2013/12/04/hanabusa-aya-eomans-story_n_4388338.html)

北出さんは、ご自身が屠畜の仕事をされながら、部落差別をなくす運動にも関わっておられます。食肉の仕事は歴史的に被差別部落によって担われてきたこと。肉を美味しく食べるための技術をつないできたということ。食べるということに差別があるということ。被差別部落で受け継がれてきた仕事が日本の文化を支えてきたということ。それらを話しながら、人権感覚を教育現場で子どもたちに身に着けてさせていく大切さを伝えてくださいました。

北出さんが「授業でぜひ」とすすめてくださった教材がこれ。「はじめてみよう!これからの部落問題学習~小学校、中学校、高校のプログラム」(編:ひょうご部落解放・人権研究所) 使ってみたいなぁ。

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講話の中で、愛農高校での講演についても触れてくださいました。「食べ物を汗水かいて生産する農業高校、応援したい!」「生徒の反応が良くて嬉しかった。」言ってくださいました。これからもそうぞよろしくおねがいします!

〈セキグチ〉