リンクの基準

2000/12/23  あぶくま守行


1.問題のリンク

現在、次のリンクが統一教会関連サイトの中にあるページと知られています。

大学連合原理研究会機関誌「Tetra」の中にあるページ。

内村鑑三と「父なる神」(桜井哲夫)
内村鑑三のキリスト教との出会い(秋山耿)
内村鑑三の教訓(Tetra 96-6)
近代日本が必要とするもの(Tetra 96-6)

東大新報(統一教会系学生新聞)の中にあるページ

失楽園から復楽園へ(東大新報97/12/25)

愛天愛人愛国(統一教会信者)の中にあるページ

矢内原の共産主義批判「キリスト教とマルクス主義」より

以上のリンクについては異議を唱えるメールをいくつかいただきました。そこで「なぜ異端と呼ばれている団体や人々のサイトの一部にリンクするのか」を公にしておきたいと考えました。

(また「聖書の間違い」の中にあるページ 預言者内村鑑三私の弟子とは誰ぞ」について「罪人のかしら」と救い がリンクされています。このサイトは棄教者、無神論者の佐倉哲さんによるキリスト教攻撃サイトとして知られています。)


2.なぜ異端にリンクするのか

答えを一言で言うなら、「真理を愛するから」です。

たとえば、Tetra 96-6「特集 近代日本とキリスト教」(近代日本が必要とするもの)を例にとって考えてみたいと思います。この文書は日本におけるキリスト教受容の歴史を論じ、二つのJ(JesusとJapan)を愛し、真理のために生涯を捧げた内村鑑三に理想を見出し、その生き方にならうことを勧めた文章です。この文書を読む限り、少なくとも、真理に反したような表現は見あたらず、かえって真理にかなう多くのことが議論されています。これは真理を愛する人が 読むに相応しい内容であると私は考え、紹介(リンク)する事にしました。

しかし、異議を唱える人はこの文書を異端へと導く伏線と見なします。なぜなら、著者は世界神霊統一教会関係者であり、それは統一原理研究会機関誌の中に載っているからです。つまり、この文書には真理が述べられているとしても、それは統一教会の方便であり、彼らの真意は、この文書に興味をもつ人を仲間に導くことに違いないと見なすからです。だから彼らの策略にのせられていはいけないと、私に対して忠告します。

この忠告は「作者の意図や目的が正しくなければ、その作品は知られるべきでない」、「述べ伝えるものの動機が正しくなければ、その述べ伝えられた真理は聞かれるべきでない」という一般命題の主張と同じと理解することが出来ます。

私は動機と真理それ自身をセットにする、この主張に同意することは出来ません。あるいは真理が他の目的に「従属」されるべきとの主張に対して異議を唱えなければなりません。

真理はそれ自身が目的です。真理はそれ自身の価値によって、知られ愛されるべき存在です。つまり真理はそれを書き表す者あるいは述べ伝えるの者の意図とは独立に働きます。そうでなければ罪人が真理を述べ伝えることは出来ません。真理が私たちの目的に従属するのではなく、私たちが真理に従うのです。「私たちは真理に従えば力があり、真理を離れては無力です」

「見えからであるにしても、真実からであるにしても、要するに、伝えられているのはキリストなのだから、わたしはそれを喜んでいる」(フィリピ 1:18)とパウロはいいました。どのような意図からであれ、真理が述べ伝えられることを私も喜びます。もちろん偽りは憎み退けなければなりません。統一教会の伝えるものは偽の福音、偽キリストであると私も直観しています。しかし、 Tetra 96-6「特集 近代日本とキリスト教」(近代日本が必要とするもの)だけに関する限り、作者の最終的な意図が何であろうと、真理を伝えていると思います。偽りに対しては真理が真理自ら真理自身のために戦います。私たちはこの事を心配するには及びません。

だれに対しても謙虚にすべての人から善と義と真を学ぶ態度を持たなければなりません。「すべて善なること、正しいこと、真実なること」を尊重しなければなりません。もちろん「悪は憎み退け」「不義はこれを責め」「偽りは断固拒否」しなければなりません。しかし罪を憎んで人を憎まず。私たちはすべての人を愛さなければなりません。たとえ異端と呼ばれる人たちでも、私たちは愛をもって接しなければなりません。 


 3.質疑応答集

 

Q:統一教会関係のサイトにリンクすることは神を汚すことになりませんか。

A:リンク先のページが学ぶべき真理を伝えており、反真理が表現されていないのなら、どのような所へのリンクでも神を汚すことにはならないと確信しています

Q:たとえ一部のページは真理が述べられていても、全体が偽福音、偽キリストを目的としたサイトなら、相手の巧妙なサタンのワナに落ちることになりませんか。

A:どのような人であれ、真理を述べることが出来るのは、決してサタンの業ではありません。ただすべての人は弱い存在ですから、ある時は真理を述べることが出来ても、すぐにサタンのワナにおちいることがあります。ペトロはイエスに対して「あなたこそは神の子です」と言ってほめられた後に、今度はイエスが十字架にかからなければならないと予告すると、イエスをいさめたので、「サタンよ、退きなさい。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている」と叱られました。

Q:真理を述べた一部のページは偽福音に導くための方便であり、そのサイトの真意はそのページに関心をよせた人をおびき寄せて、彼らの偽福音のとりこにしようとの目的のために作られたものですから、その手に乗らないようにすべきではありませんか。

A:リンク先が真理を伝えており、反真理が表現されていないのなら、どのような所へのリンクでも神を汚すことにはならないと確信しています。真理に従えば、サタンの策略に落ちることは決してありません。

Q:異端に対してどのようにするべきでしょうか。

A:すべての人に対して愛する心を持たなければなりません。相手の欠点や間違いを攻撃して、自分が正しいと主張するよりも、相手を理解し(長所や真実や善を見出し)、そこから真理を学ぶ姿勢が必要だと思います。偽りに対しては真理自身が真理自身の力によって戦います。私たちは心配するに及びません。私たちに要求されていることは、真理に従うことです。

Q:真理とは何ですか。

A:真理とは真実なことです。

(おわり)