世古さつきさん

愛農高校44期(2007年度入学)

現在は、三重県南伊勢市で愛農高校同期の世古知さんと農業を営む世古さつきさん。

愛農高校で学んで

 「速い!」「便利!」「簡単!」それがスバラシイとされている物事が多い、今の世の中。
だけど、愛農高校はその逆で、「ゆっくり!」「不便!」「めんどくさい!」そんな一見、「時代遅れ?」な高校です。
 手間暇かけてゆっくり育てる有機農業というやり方。スマホなし!決められた時間割と、少人数での寮生活。朝早くからのラジオ体操や畑仕事・・・。たくさんの「ちょっと変わったこと」がありますが、そこにはちゃんと意思があると思います。

 愛農高校の「建学の精神」には、創立者がこの学校を作った理由に、「神を愛し、人を愛し、土を愛する人格形成」と書かれています。 

 愛農高校は、入学してきた生徒たちを、「○○大学に合格させる!」「大手企業に就職させる!」とかが目標ではなく、それ以前に、生徒一人ひとりがどんな人間になるか、それぞれの中身を育ててくれる学校だと思います。

 だから、先生達は、勉強ができるできないとかで判断せずに、その人の中身に向き合ってくれます。寮生活では友達や先輩後輩と助け合ったり、たまには喧嘩したりしながら、生活を共にします。とことんお互いに向き合って、個性を認め合える、大切な仲間ができます。

 農場では、丁寧に愛情込めて農作業をします。汚れて疲れて大変ですが、働くことの楽しさや、命をいただく事のありがたみ、「ご飯がおいしい」というシンプルで最高の幸せも感じられます。

 
 三年間の色々な体験の中で、自分の中身がとっても成長すると思います。それは卒業後、農業をしなくても、どんな仕事をするにも一番大切なことだと思います。
 私は卒業後いくつか職場を替えましたが、どんな仕事もその人の性格が表れるなあ、と感じました。挨拶や時間を守ること、誠実にコツコツ仕事をすることの大切さは、愛農高校の日々の生活で身についたなあと感じていて、それが、社会に出てからや母親になって子育てをする中でも、本当に役に立っているなあと思っています。

 また、そんな中でも、「生きることは楽しい!」と教えてくれたのも、愛農高校だと思います。愛農高校には、面白い大人がたくさんいます。だから、これから先の自分の人生が無限なんだな、と感じることでしょう。
 愛農高校では、平和学習もあり、いろいろな方のお話を聞きました。汗をかいて、泥んこになっての農作業とか、友達と散歩をしたりよなよなおしゃべりした青春とか、楽しかった思い出はたくさんあります。そんな素朴な日常があって人生が楽しいと思えるのは、平和な世界があるおかげだという事も教えてくれます。

 もし、愛農高校に入学して、三年間いろいろな体験をしたら、もちろん大変なことや辛いこともあるけれど、本当に濃い中身のある高校生活になると思います。ゆっくりで不便でめんどくさい、そんな生活の中で、人間味のある温かい人になれるんじゃないかな、と思います。そんな学校、なかなか無い。それってとっても最先端だなあ、と、私は思います。

 ぜひ、一度、愛農高校に足を運んでみてください!