我妻未夢(52期) 幸せな食卓

2017年度 校内意見発表
幸せな食卓
3年 我妻未夢(52期)


みなさんは、コンビニなどで見かける菓子パンが好きですか?ちなみに私は中学生時代よく食べていました。部活帰りでお腹がすくとコンビニによっては友達と食べながら帰りました。私は幼少期から冷凍食品やカップラーメンなどに慣れ親しんでいて母が握ってくれるおにぎりより、コンビニのおにぎりの方がずっと美味しいと思っていました。そんな私が愛農高校に入って一番意識が変わった事は「食」についてです。食とは私たちにとって一番身近なものであり、いつどこで何を食べるかも自由ですが、自らの一つ一つの選択で場合によっては体調をくずしたり、病気にかかったりもします。それとは逆に病気にかかった人が食生活を見直すことで体調が回復したという例をいくつもあるように「食」というものは自分の体に一番に影響するものです。

 

私は愛農高校に来てはじめて食品添加物というものを気にして、食品の裏の表示を見るようになりました。きっかけは、愛農高校や愛農流通センターで作られている加工品などはすべて無添加で安心・安全だと言われたことでした。という事は私が中学生まで食べていたものは安心・安全ではないということかと気づかされました。スーパーで売られている食品の裏表示を見ると、よくわからないカタカナの文字がずらりと並んでいます。アスパルテーム、ブドウ糖加糖液糖、合成着色料とあげたらきりがありません。私が以前よく食べていた菓子パンの多くには酵母菌の発酵を促すイーストフードという食品添加物が含まれていますが、イーストフードの中の一つに毒性の強い塩化アンモニウムというものがあります。塩化アンモニウムをウサギに2g与えると10分後に死亡するといわれています。

 

イーストフードは一括表示なので毒性の高い塩化アンモニウムについては直接表示されておらず、そのため消費者は無意識に摂取している危険性が高いのです。愛農に来るまで私は何を飲み、何を食べてきたのでしょうか。コンビニやスーパーに並んでいる食品の表示を見ると多くの食品に食品添加物が含まれている事に気づきました。全ての食品添加物に必ず毒性があるわけではないし、人間は食品添加物をうまく利用することによって保存性を高めたり、油の酸化を防いだり、色を良くしたりしてきたので、もちろんメリットもたくさんあります。しかし、それを食べつづけていたら私達人間は一体どうなってしまうのでしょうか。食品添加物をおいしいと感じてしまって素材本来の味をまずいと感じてしまう事は本当に悲しい事だと私は思います。また今の世の中は食品添加物であふれているので素材本来の味を知らずに大人になる人がこれから増えていきそうなのも心配です。

 

食べる事は生命を頂くことだと私は思っています。私達人間は他の生物の命を頂いて、それが食べた人の体の血となり肉となり今を生きています。私は養鶏部に所属しているのでこれまでに何十羽、いや何百羽も解体作業をしてきました。何度も鶏が命を落とすところを見てきました。最初の頃はただ無心でひたすら解体手順を覚えるために首を切っては湯につけてのくりかえしで感謝も何もありませんでした。でも、二年生の頃にふと考えたのはもし、自分が鶏だったらということです。突然ケージから出されてせまい箱の中にぎゅうぎゅうにつめられて次々に自分の仲間が入ってくる、やっと出してもらえたと思ったら、ようしゃなく刃を向けられて首を切られ、苦しみながら死んでしまう。

 

そんな卵を産んで産んで産まなくなったら殺されてしまうたった一年半程の短い命だなんて私だったら絶対に嫌だと思う。それでもそういう運命であるのなら、せめて死んで肉となった時自分を食べる人は感謝して食べてほしいと思う。
その事を考えてからは、本当に感謝して「いただきます」を言えるようになり、日々の管理作業も鶏としっかり向き合っていこうと思いました。

 

現代の食のあり方はどうでしょうか?本当に感謝して「いただきます」を言えているのでしょうか?家族みんなでそろって今日あった事なんかを話しながらおいしく食事を取れているでしょうか?私は愛農高校にくる前、「食」のありがたみなど感じませんでした。勝ったらすぐ手に入るおにぎりや菓子パン、冷凍食品を電子レンジであたためて毎日のように一人で食べていたからです。それらには多量の食品添加物が含まれています。食事を作る手間がはぶけたり、手軽に食べたいものが手に入る世の中になりましたがそのせいで「食」に対するありがたみがどんどん薄れていっているように感じます。

 

今になって、コンビニに寄らずに早く家に帰って家族みんなで食事をとればよかったなあとか、いつもテキトーに「いただきます」や「ごちそうさまでした」と言っていたけれどこのごはんが食卓に届くまでにどれだけの人が働いてくれたのか考えて本当に感謝して、しっかり味わっていたらきっと、思い出に残る食事になっていたのかなとか考えたら中学生までの食への向きあい方については後悔することばかりです。
私は将来、「食」に関わる仕事がしたいと思っています。理由は第一に安心・安全でさらにおいしい「食」を全国に広めたいのと、生産者が心を込めて作る野菜や果実の素材本来の味を知ってほしいということ、第二に、人体にどう影響がでるか未だにはっきりわかっていない食品添加物は極力使わず、体にいい物だけを使うということを意識していきたいと思っています。

 

そして子供達に自分が幼いころ考えることも感じることもできなかった「食」のありがたみを伝えて、家族で幸せな食卓を囲むことが私の夢です。