7 月 1 5 日
あなたたちの間の争いや戦いは、一体どこから来ますか。それは他でもありません、あなたたちの肢体の中で相争う欲情からでありませんか。あなたたちはむさぼろうとして得られないので人を殺し、手に入れようとして得られないので争いを起こします。

ヤコブ 4: 1-2

真理と戦争

 戦争は病気です。狂暴性(きょうぼうせい)精神病です。戦争は害悪です。反真理です。およそ真理の属性は秩序を愛して混沌を嫌い、生命を愛して殺りくを憎みます。真理は平和を愛し、戦争を嫌うのです。従って戦争を挑発するような制度及び思想に対抗することは真理探求者の自明の任務と言わなければなりません。平和思想の基礎は個人または国家の利益になく、また人間の潜在(せんざい)心理にもありません。平和思想はかえって個人また個々の国家の利益に対して上位にあるところの宇宙的秩序、また潜在心理の本能的野性を止揚(しよう)し訓練するところの人類的理想に立っています。平和は真理の属性に適(かな)うがゆえに真理なのです。

 真理は一時に探求しつくされず、理想は容易に成就(じょうじゅ)されません。戦争の終止、平和の実現もまた現実政治問題としては近き将来の見通しの外に立ちます。しかしそのことは真理の探求あるいは平和のための努力を無意味とする根拠とはなりません。かえってそれだからこそ、平生より少しのたわみもなく真理の探究に志し、平和のために精進すべきであり、また真理を愛するすべての国家は自由を尊重し、平和の国策を遂行すべきです。



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