路の上のがけに咲きみだれる野菊。 見る人はないけれど、 日を浴びて喜びに輝き、 風にゆられて手を振り、 踏まれる事を知らない野菊は、 神に向かって歌いつつ、 恩恵(めぐみ)を賛えているのでしょう。 清楚(せいそ)の色、 純真の姿、 華美(かび)ならず、 淋(さび)しがらず、 差し出ず、臆(おく)せず、 質素にして地味ならず、 素直にして快活な野菊。 あなたは平民の花です、 私の花です。