1 2 月 1 日
天の雲に浸されて 地は静かさをとりもどしました。 夕暮れの鐘(かね)の音に伴われて 大地は眠りにつこうとしています。

(フリードリッヒ・リュッケルト「夕暮れ」)

夕暮れ

 神はときどき私を誘って、多摩(たま)の川原に導き、そこで私の心をなぐさめて下さいます。風のない冬の日の夕方、枯草をしいて入日をみていると、空はあかねさし、水は金色にかがやき、私の霊(たましい)は平和に満ちます。まことに神は天にこたえ、天は地にこたえ、地は山と水と草と石にこたえ、これらのものは私にこたえる思いです。

 戦いに傷ついた日も、心労におとろえた日も、そして格別問題のない静かな日も、神は私を多摩の川原にみちびいて私の孤独の霊(たましい)をねんごろにいたわって下さいます。

 孤独は平和です。それは神だけが共にいて下さる時だからです。



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