4 月 1 3 日
私はキリストではありません。ただその前に使わされた人にすぎません。 ・・・ 花嫁を持つのは花むこです。花むこの友は彼のそばでその声を聞けばそれで満足します。私の歓びは今満ちました。彼は必ず栄え、私は衰えなければなりません。

ヨハネ 3:28-30

花むこの友

ダンテも言ってますように、神の御意に従うことこそ、信じる人の平安であり、喜びです。なぜなら人のもつ使命も、勢力も、弟子も、すべて神より与えられるのであり、神の経綸(けいりん)によって定められるところだからです。天よりヨハネに与えられた使命はキリストではなく、「その前に使わされた者」であり、新郎ではなく、「新郎の友」です。これはヨハネ自身が始めよりはっきりと意識し、弟子たちにも明らかに告げて来たところです。「新郎の友」の役目は新郎新婦の結婚を以て終わります。そしてその役目の終了こそが、新郎の友の最大の満足であり、安心であり、喜びです。ヨハネは自分が世に紹介したイエスに多く人々が従うのを見て、紹介者として、新郎の友として、彼の喜びは満ち、誇りと満足を以て自分の任務より退きます。そこにはあたかも義の太陽のさし昇る時、夜明けの中に薄れゆくあけぼのの明星のような壮美と平安がただよっています。私たちはヨハネを軽んじることなく、イエスを重んずることが出来るのです。



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