そしてイエスはペテロ、ヤコブ、ヨハネを連れて行きましたが、苦悩と恐怖におののいて言いました、「私は悲しみのあまり死ぬほどです。ここを離れず、目を覚ましていなさい」。弱きイエス
イエスは弱い人でありました。彼はゆうゆうと死を迎える型の豪傑(ごうけつ)ではありません。神経の鈍感な人間か、あるいは感情を不自然に抑える人ならば、平気で死に就くでしょう。しかしイエスはあくまで純な、自然な、人間らしい人間の感覚をもって生きた人です。彼は死を恐れました。だから私たちのような死を恐れる人間を助けることが出来るのです。「私は悲しみのあまり死ぬほどです」というような柔軟な、敏感な心であって、始めて私たちの苦しみをともに苦しみ、私たちの悲しみをともに悲しんで下さることができるのです。