5 月 2 1 日
私の愛する人よ、ああ、あなたは美しく、 ほんとうにうるわしいです。 私たちのフロアーは緑の野、 私たちの家の柱はレバノンスギ、 そのギャラリーはセイヨウヒノキです。

雅歌 1:16-17

愛の語らい

 緑草を敷き、青空を仰ぎ、高木の木陰(こかげ)に座るほど、愛を語るに自由にして新鮮な場所はありません。木をわたるそよ風はやわらかい伴奏(ばんそう)の音楽をかなで、草木の香りは愛の思いの動きを快く刺激(しげき)し、かたわらに咲く野の花は微笑(ほほえみ)をたたえて愛をほめたたえ、愛を祝福します。広く、大きく、自由で、明るく、空も風も木も草も光も影も愛のささやきと愛の思いをことごとく知ります。これに反し雑音、しっと、競争、恐怖が愛の交わりをのぞき見することは絶対にありません。心の愛する人との愛の交わりに最も適切な場所は空気の清い大自然の中であり、後宮(こうきゅう)の宴会場(えんかいじょう)などではありません。真の愛の伴奏は、エルサレムの女子たちの合唱ではなく、こずえをわたる風の音と、風にさやぐ葉のささやきです。



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