真理の霊が来れば、それはあなたたちをあらゆる真理に導くでしょう。それは、自身のではなく聞いた所のものを語り、来るべき事をあなたたちに知らせるでしょう。

（ヨハネ 16:13）

　聖霊は一つの人格（ペルソナ）です。すなわちそれ自体独立に働くところの意思の主体として、個々の信者あるいは信者の団体と具体的・人格的な交渉をもち、永遠に私たちと共に在って、私たちを助けられます（ヨハネ 14:16）。　・・・　聖霊は豊かに教えられます。また信仰に関する事柄のみでなく、学問や芸術や政治や一切の事柄について、聖霊は真理を啓示するのです。歴史の発展に伴い、人智発達の段階に応じて必要な知識を、聖霊は霊感し啓示してその限界を知らないのです。無限の真理の探究は、聖霊の助けによって始めて可能です。

　しかしながらすべての知識の中最も根源的なものは信仰の知識であり、信仰の知識の中最も根源的なものはイエスが語られた事柄です。知識の拡張と展開は歴史と共に無限ですが、知識の根源と純化とはイエスの言葉に帰る事によって得られます。ゆえにイエスの言葉を思い出し、その深い意味を理解するものもまた、聖霊の活動です。

　聖霊は私たちの意思から独立したる人格ですから、よく私たちの思い及ばない真理を私たちに啓示します。これによって学問や芸術に飛躍（ひやく）的進歩があり、また人の信念に天来の確信が与えられるのです。

上へ前へ次へ