「あなたたちは私をだれと思いますか」。シモン・ペテロが答えました「あなたこそ生ける神の子キリストです」。イエスは言いました「ヨナの子シモン、あなたはさいわいです。あなたにこの事を言わせたのは血肉でなく天にいます私の父です」。 ・・・ それからイエスは自分がエルサレムで祭司長たちに殺され、そして三日後によみがえる事を弟子たちに示しました。するとペテロはイエスを引き寄せ、いさめ始めました。イエスは振り返ってペテロに言いました、「サタンよ、退きなさい。あなたは神の事を思わないで人の事を思っています」。サタンよ退きなさい(マタイ 16:13-23抄)
前に五千人のパンの奇跡(きせき)の直後、群衆および弟子たちに対するイエスの態度が急に変わられたように、ピリポ・カイザリアにおいても勝れた信仰の告白をしたペテロをたちまちサタンと叱られたのです。人が非常に高い信仰の境地に上った時は、サタンの最も強く働きかける時でありまして、そのため急転直下、信仰の墜落(ついらく)を見ることは、怖ろしい霊的事実であります。神のことを思う人は勝利し、人間の事を思う人は必ずサタンに敗れます。イエスがこの点を警戒して、人情に引かれず情実にとらわれず、常に断固とした信仰的英断に出られたのは、まことに勇ましい御戦(みいくさ)でありました。そして彼はいつも英断によって、りっぱな勝利を得られたのであります。