2 月 1 日
マリヤよ、恐れてはいけません。主はあなたを善しとされました。見なさい、あなたは身ごもって男の子を産むでしょう。彼をイエスと名付けなさい。

ルカ 1:30-31

受胎告知(じゅたいこくち)

 神の子であり人類の救い主である方が、人間として受胎したというのです。これにまさる厳粛(げんしゅく)で恩恵に満ちる報告がかつて人の耳にもたらされたことがあるでしょうか。これは限りなく聖、極(きわ)みなく真、まじりなく清く、絶対に新しい出来事です。古来多くの人間が世に生まれ来、その中には世を救うために活動した人も少なくありません。彼らはある意味において人を救う使命をもって世に生まれ来たのです。しかし私たちは人間の能力がいかに微弱(びじゃく)であって、罪に悩む小さな一人の心に平安を与える力のないことを経験によって良く知っています。そこにはただ人間の一人よがりと気休めとがあるだけで、絶対的な救いの希望はありません。このような中にあって、人を救うために神の御霊(みたま)と至高者(しこうしゃ)の能力により、神の子が人間として世に生まれるという驚くべき知らせが告げられたのです。実に人類の救済(きゅうさい)史上最大の事実は、ガリラヤの田舎女(いなかむすめ)マリヤに、天使ガブリエルが受胎を告知したその瞬間(しゅんかん)に成ったのであり、人類の歴史はここに全く新しい段階に入ったのです。私たちが受胎告知の記事を読んで、何よりもまず敬虔(けいけん)で清新な感じをもつのは、このためです。



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