4 月 9 日
愛のゆえにお願いします。すでに老人となり、また今キリストの囚人(しゅうじん)となっているこのパウロが、捕囚(ほしゅう)の身で産んだ私の子オネシモのことであなたにお願いします。オネシモは以前はあなたにとって無益な者でしたが、今はあなたにも私にも有益な者となりました。オネシモをあなたの元に再び帰します。彼は私の心です。彼を受け入れてください。

ピレモン 1: 9-12

ピレモン書

 ピレモン書は野道に咲いた一輪のスミレのように、小さく、美しく、イエスの福音の愛のかおりの高い花です。それはパウロの書いた多くの手紙の中で最も短いものであり、また他の手紙がすべて教会に宛てられた公的性質のものであるのとは異なり、これは一個人に宛てた全く私的手紙です。 ・・・ 

 この小さい手紙の中に、オネシモに対するパウロの愛の感情は、ハギの花に置いたつゆのようにあふれています。「捕囚の中にで生んだ私の子オネシモ」と言い、「彼は私の心です」と言い、「私は、とりわけ、彼を愛します」(ピレモン 1:16)言い、「私を受け入れるように、彼を受け入れてください」(ピレモン 1:17)と言い、さらにオネシモがピレモンに対して負う借金を、「私に負わせてください。 ・・・ 私が償(つぐな)いましょう」(ピレモン 1:18-19)と言うに至っては、全くパウロが自分の身をオネシモの地位に置いており、自分の伝道によって信者となった一人の奴隷(どれい)をこれほどまでに深く愛した伝道者パウロの愛に触れて、私たちも身の震える感じがします。



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