あなたたちに聞きます、安息日に善を行うのと悪を行うのではどちらが良いですか。命を救うのと殺すのとではどちらが善ですか。嘉信会報(ルカ 6: 9)
愛の要求は律法の要求に勝ちます。もちろん律法は守らなければならず、営利の目的のために法を犯してはいけない事はもちろんですが、人の生命を救うためやむを得ない必要のあるときに、法に触れることをびくびく恐れて善行の機会を逃すのは、かえって法に忠実な事ではありません。もし法に触れたかどを以て警察が処罰するならば、法に従って素直にその処罰を受けるべきです。しかし神の前に良心のとがめを感ずる必要はないのです。 ・・・
『嘉信(かしん)』の廃刊に続いて会報を発行することは、私の心において一つの戦いを要しました。しかし私がこれについて深く考え、思い悩んでいた時、安息日についてのイエスの戦いの意味が、始めて明らかに私の眼前に展開されたのです。ここに私の進むべき道は定まり、私の心は確く決まったのでした。
この世にあって義しく生きる事は容易な事ではありません。私たちは往々にしてその道さえ知らず、たとえ道を知っても力が乏しい事を嘆いている者です。しかし思えば私たちの戦いの性質も、これに処すべき道も、すべてイエスの生涯において示されています。私たちは彼の足跡を踏むに過ぎず、彼は私たちの模範です。いや、単に模範であるばかりでなく、彼は私たちの力です。