4 月 1 6 日
私は山に向かって目を上げます。 私の助けはどこから来るのでしょうか、 私の救いは天と地を作られた主から来ます。

詩篇 121: 1

山に面す

 心身が世事にいたたまれなくなった時は、出て山に面するのがよいです。神の創造した偉大な山は、無言の中にどっしりと立っています。時刻は早朝、うすむらさきの雲が山はだをおおう時でもよいです。真昼、太陽の強い光に山のかすむ時でもよいです。夕暮れ、急速に山の黒ずむ時でもよく、夜半星空の下、山が最も活きて歌っている時でもよいです。黙して山に面して立てば、雑事の煩労(はんろう)とこの世の雑念はいつの間にか私より去って、私の心身の疲労はいやされ、力が内に満ちて来るのです。

 心が屈して判断に迷い、どうしてよいかわからない時は、だまって神に面しなさい。いかに自分の心を治めようと思い、自分の考えを立て直し、自分で正しい判断をしようと、あせればあせるほど心は乱れて苦しむだけです。そういう時は、自分を見つめることを止めて、神に見とれることがよいのです。心を自己から離して、神の美しさ、神の偉大さに見とれていれば、聖霊はいつの間にか私の心をととのえて、私に平安と喜びをかえし、正しい道を示されます。自分をいくら見つめたところで、何の善きものがその中から出ましょうか。自己はそのままにして、出て神を仰ぎなさい。



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