イエスは知恵に背丈(せたけ)にますます成長し、神と人から愛されました。イエスの成長(ルカ 2:52)
イエスは若くして父の家業である大工をつぎ、その労働をもって一家の生計を支えたものと思われます。勤勉と従順な青年として、彼は神と人とに愛されながら成人したのでした。
長い冬の間土にかくれていたフキノトウが、春になって土を破り、目のさめるような新鮮な色で、勢いよく頭を現します。そのように、三十才のイエスがヨハネのバプテスマを受けてヨルダン川から上った時、聖霊がハトのように彼の上に降り、そして、「あなたは私の愛する子です、私はあなたを喜びます」と言う天からの声を聞きました(ルカ 3:22)。それまでの間、彼にはナザレの村における三十年の長い準備期間があったのです。何と幸福であったでしょうか、沈黙の準備期間は。最後の三年の公生涯において燃焼しつくしたイエスの戦闘力は、この長い準備期間中、静かに蓄えられていったのです。