心はすべてのものよりも偽り、はなはだしく悪に満ちています。だれがよくこれを知る事が出来ましょうか。主は私の心を探り、私の思いを試みます。主は人の行いの実によって報いを行います。

（エレミヤ 17: 9-10）

　エレミヤは欠点があり弱い人でした。泣き言をいいました。うらみ事もいい、敵を憎みもしました。これらは彼の欠点です。しかし少なくとも彼は自分の心を偽りませんでした。こういう事を言っては損をすると言うような利害打算のソロバンを弾いて、うわべだけ体裁（ていさい）のよい、口ざわりよい事を言っている態度に比べれば、エレミヤは正直に自分の弱さと敵に対する憎しみを現しました。彼は少なくとも正直でした、純でした。純ですから神に訴えもし、また偽りの預言者に対して憤りを発したのです。純な人は怒ります。怒りは欠点ですが、この欠点そのものが、彼の純な心から出たのです。人間エレミヤのもった宝はただ一つ、心の純な事でした。　・・・　神に対するひたむきな生活態度において、エレミヤの右に出る人は少ないです。

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