すべで神から生まれた人は世に勝ちます。実に私たちの信仰こそ世に勝利する力なのです。

（第一ヨハネ 5: 4）

　私たちの態度は、各自が与えられた信仰の量に従い、聖霊のみちびきを受けて定めるべき事柄でありまして、「先生にきめてもらう」というものではありません。それはカトリック的方法であります。私たちは各自が信仰による神との結びつきを堅くし、具体的場合における具体的態度は、その都度聖霊の示しに従って行動すればよいのです。その時たとえ私たちの行動が思慮（しりょ）において完全でなく、結果において失敗であっても、それが私たちの心一杯の信仰から出た行動であるなら、神はこれをとがめないでしょう。常に大切なことは、私たち各自が神を信じている事と、その信仰に偽りがないことです。

　信仰に偽りがなければ、すなわち私たちの信仰が真実でありさえすれば、他のことは一切思いわずらうに及びません。神はすべての事を善に導きます。私たちの失敗と過失を通じてさえ、神の経倫をなしとげるのです。社会に混乱のきざしがある時、私たちに必要なものは神御自身の勝利を信じる信仰です。その信仰から私たちに忍耐と希望が与えられます。自分の苦痛については忍耐を、神の国の成就については希望を与えられるのです。

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