三時ごろイエスは大声で「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と叫びました。「私の神、私の神、どうして私を見捨てるのですか」という意味です。 ・・・ それからもう一度大きな叫び声を上げてついに息を引き取りました。病床にて思うこと
病気の苦痛におそわれる時、イエスの十字架を思います。「胸裂けるほどの主の苦しみ」を思います。それに自分の苦痛を託する時、いかなる苦痛にも耐える事が出来るだけでなく、苦痛の底からほのぼのとしたイエスの愛のあたたまりさえ感じられて来ます。
どうしてこんな病気になったのかと、その原因をあれこれと考える事はおろかです。 ・・・ 神を信じる人の上に起こる事柄は、全て神の許しの下に行われるのです。いや、全て神の手から出る愛の御業であると信じる事ができます。このように信じて私たちの生涯に起こる全ての出来事は、ことごとく神の恵みである事を知って、感謝する事が出来るのです。
病床で思うことは人の愛です。人に対する憎しみや疑いやうらみなどほど、病床に遠いものはありません。これに反し、病人を愛してくれる人の心は一層愛に燃えて来、また病人が人を赦し、人の益を思い、人を愛する心も一層深くなります。病床は病人を神の優しい愛に結びつけると共に、人の心と心とを愛と善意に結合します。病床はその見せかけ程には荒野ではなく、そこにすんだ清水がわき出て、美しい小さな花々が香っています。