1 0 月 1 4 日
イエスの両親は主の律法の通りすべての事を済ませ、ガリラヤに向かい自分の郷里ナザレに帰りました。その地でイエスは成長し、霊に強さを増し、知恵に満ち、神の祝福がありました。

(ルカ 2:39-40)

イエスとリンカーン

 イエスは都会人としてではなく田舎の人として、書斎の人としてではなく労働の人として、貴族の子としてではなく平民の子として、その三十才までの歳月をガリラヤで過ごしました。後代に類を求めれば、アメリカの大統領アブラハム・リンカーンの生い立ちが私たちの連想に上ります。青年イエスは、自己の額(ひたい)に汗する労働をもって家族の生計を支えたのであり、このような生涯の中で聖書をよく読み、祈りをよくつとめ、神の真理をよく学んだのでした。労働は読書に劣らず、彼の心を真理に向かって啓発(けいはつ)したのです。このようにイエスは、ごく普通の人間として成長したのであり、特に神秘(しんぴ)的な宗教的経験は、彼については言い伝えられていません。彼は私たちと同じ人間として生きました。それゆえにこそ彼は万人の友であり、人類の救い主であり得られたのです。



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