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12月9日(土)は愛農高校60周年記念式典でした。

愛農創立時の町長

ご登壇頂いたのは創立当時の町長様や、元校長、元同窓会長で養豚家の方などなど。それぞれの人生のにじみ出るご挨拶でした。この日は愛農に多大な貢献を頂いた方に賞状と記念品が贈られました。

愛農のもので作った記念品。目録読み上げの時には思わず歓声が。

そのあとは京都大学から歴史学者の藤原辰史さん(https://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/hub/~fujihara/index.html)にお越しいただき、ご講演。戦争と農業、美学と農業と食。様々な分野を横断しながら、今芸術分野は食と農に目覚めている。人間の琴線に触れる「ゾクゾクするもの」が、実は食と農にあるという回帰的な動きが始まっているといいます。そして最後にこうまとめます。「1.現代社会を取り巻く食権力は『人間と人間』と『人間と自然』の双方の縁をゆっくりと断ち切ってきた。それに疲れた私たち 2.戦略としての『遠回り』。道草しながら関係を豊かにする 3.遅効的で弱目的的な方法で、食権力に対峙する。芸術と学問と実践の統一へ。」   ゾクっと来た人は是非藤原辰史さんを検索してみてください。

藤原辰史さん。ご自身も農家出身。

午後からは愛農食材でできたカレーライスとサイドメニュー。

あいのうごはん。

生徒の合唱や、来賓の方々から沢山のユーモアあるご挨拶も。

地元のSさんご夫妻。Sさんのご両親は愛農建築の際に手弁当でご協力いただき、Sさんは愛農の色んな修理を一手に引き受けて下さるスーパー技術者。ご婦人は愛農高校の評議員で、なんと娘さんが今愛農の音楽の先生。こうやって愛農に関わってくださる人がいるから、愛農は持っているのです。

 60年色々ありました。きっと愛農に傷ついて離れてしまった人も沢山いると思います。綺麗ごとばかりではありません。一方で、愛農は人の人生に大きく関わるがゆえに、様々なドラマが起こります。だからこそ愛農に関わる人々は、時に厳しく、そしてしんどい時にこそ底抜けに優しく、力強い。

 元校長の挨拶に 「愛農の三愛精神は 神・人・土を愛するだが、そんなことが人にできるのか。神に守られ、人に支えられ、土に養われるんだ。」 「私には夢がある。70周年でも80周年でも、『今年の作柄はどうだった』『土が良くなかったかな』『この育て方がよかった』なんて言いながら、来年のことを話し合うそんな風景を見たい」という言葉がありました。

 愛農はこれからもこの場所にあります。その根底には「なんとかみんなで生きていこう」という、ときに面倒くさく、そして豊かな関係があります。60周年。還暦を迎えた愛農は、いろんな人やものを抱え込み、引きずりながら、たくさんのいのちと生きる道をゆっくりと歩いていきます。

60年間のお支えに深く感謝いたします。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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