愛農⾼校とは
たくさんのいのちと
生きていくことで
平和を実践する場所
聖書の中には「槍をかえて鎌となす」という⾔葉があります。いのちをつなぐ⾷べ物を⽣産する農業は⾝近な平和を創り出していく業ともいえます。
私たちの考える平和とは「たくさんのいのちと生きていく」ということ。
本校での農業教育、⾷環境、寮⽣活、聖書との向き合いを通し、⽣き続けられる世界とは何か、隣⼈を愛することとは何か、そして平和とは何かを考え続けることが⼤きな学びです。
そして⽇々の暮らしからだけではなく、広い視野をもって多⾓的に社会を考えることも⼤切にしています。3年⽣の修学旅⾏では沖縄を訪ね、沖縄戦の歴史や、現代の沖縄をとりまく課題を通して平和な社会とはなにかを学んでいきます。 韓国のプルム学園や栃⽊県にあるアジア学院などとの国際交流を通して様々な国の多様な価値観とふれあう機会も⼤切にしています。
仲間との暮らしの中で平和を想う。こうして私たちの暮らしは明⽇も続いていきます。
体験的にしか学ぶことが
できないことを学ぶ
暮らすということ
たくさんのいのちといきていくこと。しかしこれは体験的にしか学ぶことができない。
そのために必要な要素がこれからお話する農業・食・人・聖書です。愛農高校からこのどれかを取ると愛農では無くなってしまいます。
それに平和を体験的に理解できなくなってしまう。
ではそんな愛農高校ではどのようにしてその要素が生かされているのか。
つまりどうやって暮らしているのかが重要になります。
農Agriculture
⾃然に働きかけて⾷べ物を⽣産する農業は、⼈間にとって基本的な仕事です。
この農業を通して「⽣きること」を考えてほしいと願い、農業教育に⼒を⼊れています。 そのためには有機農業による安全でおいしい農産物の⽣産が重要であると考え、その基本になる「⼟づくり」や家畜飼育に取り組んでいます。 ⾍や微⽣物までも含めた「いのちを⼤切にする農業」の実践の場が愛農⾼校の農場です。
農家実習も充実しており、1年⽣は1週間、2年⽣は北海道で2週間の実習があります。3年⽣は夏期休暇中の学校農場を預かります。 また⻑期休暇を使って繋がりのある農家へ研修に出かける⽣徒もおり、そのサポートも⾏っています。
農産物を⽣産するだけではなく、⾃分たちが誇りに思う農産物を作り続ける経営⼒も必要です。毎年各部⾨で経営計画を⽴て、⾃分たちの農業が成⽴するのか、持続するのかを問い続けています。
私たちが明⽇もあさっても暮らしていく、その⼤きなヒントが農業にはあります。
食Food
⾃分たちの⼿で育んだ農産物が毎⽇の⾷事を⽀えています。 ⾷卓をともにする中で、⽇々の⾃然の恵みや愛農における様々な働きに感謝していただきます。
毎⽇の⾷事は学校の調理場で、⾷材のもつ本来の味を⼤切にしながら調理されます。 ⽣徒も⽇々の調理に関わり、1年次は1年間を通して野菜の下処理や⾷器洗いなど調理場に⼊り、2年次の調理実習では家庭科室で⾃らの⼿で⾃分の⾷事をつくることで調理の基礎を学びます。 3年次の調理実習では主に学校の⾷材を使って全校⽣徒分の⾷事をつくり、また⽣徒⾃ら栄養バランスや⾷べやすさを考え⾷事に向き合う時間も⼤切にします。 調理実習は農産物を洗うところから始まり、全校⽣徒分の⾷器をすべて洗い終えるまで⾏います。 調 理することを通して農業と⾷とのつながりを実感し、まわりを⾒る⼒や他者を思いやる⼒を⾝につけます。
私たちは農業を通して、命の糧をそだてるとともにそのいただき⽅を学んでいます。人Life
1学年25名定員の少⼈数教育を⾏なっています。
少⼈数だからこそ向き合える個性があり、深く丁寧に関わることができます。 2,3年⽣では選択授業もあり、より少⼈数できめ細やかな学びを⽬指しています。
寮⽣活では携帯電話の禁⽌や、テレビ、インターネットも⾃由に⾒られない限られた環境のなかで、1⼈ひとりの個性を尊重し、より深く⾃分や他者と向き合うことを⼤切にしています。
少ない⼈数の中で役割分担を⾏い、互いに切磋琢磨しながら基本的⽣活習慣と⾃⽴⼼を養います。そんな⽣活の中で誰かに⽀えられ、⾃分も誰かを⽀えながら3年間を過ごします。
「⾃分を愛するようにあなたの隣⼈を愛する」という聖書のことばの本質を、⽇々の暮らしの中で学ぶのが愛農の少⼈数・全寮制教育です。
聖書Bible
本校の創⽴者⼩⾕純⼀は、ことあるごとに「農業者たる前に⼈間たれ」と叫ぶように語りました。「⼈間たれ」とは、良⼼の⽬覚めた⼈間であれということですが、本当に⼈と⼈の間で⽣きる⼈間となるために聖書が最適のテキストであることを確信をもって主張しました。 聖書は⼀貫して「⾃分を愛するようにあなたの隣⼈を愛する」ことを教えています。 本校の根幹はここにあります。
正課の中には聖書の授業もあり、聖書そのものについて学ぶとともに、⾃分と向き合い、⾃らの⽣き⽅を考えるグループワークも⾏います。
毎⽇の朝拝、夕⾷後の夕会・ミーティングでは⽣徒職員が集まり、聖書を読み、讃美歌を歌います。 そしてその⽇の担当者の想いや考えを聴く時間を持ちます。
互いに聴き、祈る。1⽇の始まりと終わりにある⼤切な時間です。
信仰の有無は問いません。本校では聖書を通して⾃分と向き合い、⼈間とは何か、良⼼とは何かを追求する姿勢を求めます。