今年もお誘い頂き、志摩観光ホテルの伊勢志摩ガストロノミーにゲストスピーカーとして参加してきました。
伊勢志摩ガストロノミーとは、フレンチ・和食のシェフがそれぞれ月替わりで、三重県の地域食材を使った特別メニューを、生産者も混ざってご提供する特別なランチ賞味会です。(ホントはもっとカッコいい文章なんで詳しくはリンクをどうぞ(笑))
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たぶん参加させて頂くのは4回目。今回は養鶏から鶏肉と鶏ガラ、卵。酪農から生乳。野菜からタケノコ、キャベツ、葉玉ねぎ。作物から塩麴、米、味噌、小麦。果樹からはキウイを、それぞれお送りさせて頂きました。では、ウチの個性的な食材がどうなったか写真で振り返りましょう。
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「まるで一本の良い映画を劇場で観た」感じでした。今回の料理は全てシンプルで、素材の味をじっくりかみしめるメニューでした。愛農の食材は個性的で味も濃厚です。でも、シェフはまずすべてを食べてみて、そのポテンシャルを理解してくれます。そして全ての素材に対して「君はもっとうま味持ってるでしょ?」と対話をして、最大限の力を引き出す。それでいて生産者を最大限リスペクトして頂いている。なんかそんな料理人の矜持をまざまざと魅せつけて頂いた一日でした。
お客様で、帰り際に「これが本当の贅沢だと思いました。人間に媚びない食材と、それを最大限に引き出す料理。今この瞬間だけ味わえるすごいものを食べさせて頂いたと思います」と仰って帰られた方がおられました。なんかそれを聴いてジーンとしてしまいました。
食材とは言いますが、彼らは人間に食べられるために生きているわけではないので、それぞれに生存をかけて生きています。「食べるのが楽」な食材もありますが、やはり生産している側として、それは「いのち」として違和感を感じることもあります。
樋口シェフの料理は決して食べやすいようにしているだけではありません。人間 対 食材の真剣勝負を皿の上で実現してくれている。いわば「いのち」と「それを頂く人」の立会人です。そしてその覚悟が食べた人の心を動かしてくれる。これぞ生産者冥利に尽きると思います。
今回もごちそうさまでした。