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志摩観光ホテルへ行ってきました。

今年もお誘い頂き、志摩観光ホテルの伊勢志摩ガストロノミーにゲストスピーカーとして参加してきました。

伊勢志摩ガストロノミーとは、フレンチ・和食のシェフがそれぞれ月替わりで、三重県の地域食材を使った特別メニューを、生産者も混ざってご提供する特別なランチ賞味会です。(ホントはもっとカッコいい文章なんで詳しくはリンクをどうぞ(笑))

こんな感じで掛け合いトークします。
調理場のボス、マキさんと一緒に行ってきました。樋口シェフ、企画の松本さんと。
学校の紹介と、シェフ手書きのメニュー。

たぶん参加させて頂くのは4回目。今回は養鶏から鶏肉と鶏ガラ、卵。酪農から生乳。野菜からタケノコ、キャベツ、葉玉ねぎ。作物から塩麴、米、味噌、小麦。果樹からはキウイを、それぞれお送りさせて頂きました。では、ウチの個性的な食材がどうなったか写真で振り返りましょう。

愛農のコメとネギ味噌。フレンチのスタートがまさかのおにぎり(笑)。前来たときは卵かけごはんでした。樋口シェフは型破りですw
地のお魚とキウイソース。果樹部としては感無量!
鶏肉とガラで作られた濃厚コンソメスープ。学校の親子丼はそういえばこの味に近い!
鶏モモ肉のコンフィ。硬い肉ですが、丁寧に筋膜を処理し、なんと6時間オリーブオイルで煮込んで登場。肉の繊維の全てからうま味を引き出した感動の一品でした!他にもささみの低温調理したもの、野菜部の葉玉ねぎとキャベツのソテー。
地元のアワビとワカメ。それに愛農のタケノコ。ホントに愛農の竹林出身ですか?
酪農の生乳と養鶏の卵を存分に使ったアイスとプリン。

 「まるで一本の良い映画を劇場で観た」感じでした。今回の料理は全てシンプルで、素材の味をじっくりかみしめるメニューでした。愛農の食材は個性的で味も濃厚です。でも、シェフはまずすべてを食べてみて、そのポテンシャルを理解してくれます。そして全ての素材に対して「君はもっとうま味持ってるでしょ?」と対話をして、最大限の力を引き出す。それでいて生産者を最大限リスペクトして頂いている。なんかそんな料理人の矜持をまざまざと魅せつけて頂いた一日でした。

 お客様で、帰り際に「これが本当の贅沢だと思いました。人間に媚びない食材と、それを最大限に引き出す料理。今この瞬間だけ味わえるすごいものを食べさせて頂いたと思います」と仰って帰られた方がおられました。なんかそれを聴いてジーンとしてしまいました。

 食材とは言いますが、彼らは人間に食べられるために生きているわけではないので、それぞれに生存をかけて生きています。「食べるのが楽」な食材もありますが、やはり生産している側として、それは「いのち」として違和感を感じることもあります。

 樋口シェフの料理は決して食べやすいようにしているだけではありません。人間 対 食材の真剣勝負を皿の上で実現してくれている。いわば「いのち」と「それを頂く人」の立会人です。そしてその覚悟が食べた人の心を動かしてくれる。これぞ生産者冥利に尽きると思います。

 今回もごちそうさまでした。